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独立直後に仕事が取れず、月収が激減する電気工事士は少なくない。この記事では、独立後すぐに実践できる具体的な行動を順番に解説する。
独立初月にやるべき3つの行動
1. 前職の現場で知り合った職人に連絡する
18年の経験から言うと、独立直後の仕事はほぼ100%が「知り合いからの紹介」だ。
まず連絡帳を開く。会社員時代に名刺交換した人、現場で話した職長、元請けの担当者。全員に「独立しました」とLINEまたは電話で伝える。
メッセージは30秒で読めるものにする。「〇月〇日に独立しました。電気工事の応援・下請けを受けています。お声がけいただければ幸いです」これだけでいい。
実際に私が独立した月、50人に連絡して7件の問い合わせが来た。そのうち3件が継続的な仕事につながった。
2. 建設業の許可・電気工事業の登録を最速で完了させる
法人化せず個人事業主で始める場合でも、経済産業省 電気工事業登録・届出への登録は必須だ。
登録なしでは元請けから仕事をもらえない会社が増えている。登録完了まで最短で2〜3週間かかる。独立を決めたら即手続きを始める。
費用は都道府県によって異なるが、個人の場合で登録免許税2万2,000円程度が目安だ。
3. 見積もりを「即日」出せる体制を作る
問い合わせが来て見積もりが遅れると、仕事を他の業者に取られる。
Googleスプレッドシートで見積もりテンプレートを1枚作る。材工別に単価を入力しておき、数量を変えるだけで見積書が完成する状態にする。所要時間は最初の作成に3〜4時間、以降は1件あたり15〜30分で出せる。
独立1〜3ヶ月目:下請けルートを複数作る
💡 独立開業サポート
元請け会社に「応援職人」として登録してもらう
大阪の電気工事会社は、常に応援職人を探している。特に繁忙期の2〜3月、8〜9月は人手が足りない。
「応援単価」の相場は1日あたり2万5,000円〜3万5,000円(第一種電気工事士・経験10年以上の場合)。月20日稼働で50〜70万円の売上になる。
登録するには、経歴書・保有資格のコピー・名刺を持参して直接営業に行く。アポなしでも受付まで行けば話を聞いてくれる会社は多い。月に5〜10社回れば、1〜2社は登録してくれる。
同業者に「下請け受けます」と告知する
電気工事士同士のネットワークは仕事獲得に直結する。電気工事士が人脈を作って仕事を増やす方法|業界団体・勉強会の活用で詳しく解説しているが、地元の電気工事組合の会合に月1回参加するだけで人脈が広がる。
「下請けで電気工事を請け負っています。見積もりは即日対応します」と一言伝えるだけでいい。継続的な仕事につながった件数は、私の場合で初年度に6社からの発注につながった。
マッチングサービスを使って単発案件を取る
「ミツモア」「くらしのマーケット」「ジモティー」は個人向けの電気工事依頼が集まるプラットフォームだ。コンセント増設・分電盤交換・照明取り付けなど、1件1〜5万円程度の案件が多い。
登録は無料。案件成約時に手数料(10〜20%)が引かれる仕組みが多い。独立直後の実績ゼロ期間に、口コミを積み上げる場として使う。
また、電気工事士がクラウドソーシングで仕事を取る方法は?現実と代替案も参考にしてほしい。マッチングサービスの実態と代替手段をまとめている。
独立3〜6ヶ月目:自分で直接受注するルートを作る
📖 参考書・テキスト
Googleビジネスプロフィールを登録する
「〇〇市 電気工事」で検索したときに地図上に表示される、あの枠だ。無料で登録できる。
設定に必要なのは、屋号・住所・電話番号・業種・営業時間だ。写真を5〜10枚登録すると信頼感が上がる。施工事例・車両・道具の写真でいい。
口コミが5件以上になると問い合わせ数が増えやすい。最初の口コミは、工事完了直後のお客様に「Googleで口コミをもらえると助かります」と直接お願いする。断られることはほとんどない。
近所の工務店・リフォーム会社に飛び込み営業をかける
工務店やリフォーム会社は、電気工事を外注している場合が多い。既存の業者が捌ききれない時期に「サブとして使える電気工事士」を求めている。
半径10km以内の工務店・リフォーム店をリストアップする。Googleマップで「工務店 〇〇市」と検索して20〜30社をピックアップする。名刺と簡単な会社案内(A4一枚でいい)を持って週に3〜5社回る。
3ヶ月で60〜90社回れば、5〜10社は「今後使いたい」と言ってくれる。そこからが本番だ。
SNSで施工事例を発信する
InstagramとX(旧Twitter)を使う。毎週1〜2件の施工事例を投稿する。写真は「施工前・施工後」の2枚セットにする。
キャプションには「〇〇市 コンセント増設 費用2万5,000円〜」のように具体的な情報を書く。これが検索に引っかかる。
詳しい活用方法は電気工事士がSNSで集客する方法|Instagram・X・Youtubeの活用事例にまとめている。
独立6ヶ月以降:仕事量を安定させる仕組みを作る
「定期点検契約」を1件でも取る
工場・ビル・飲食店などの電気設備定期点検は、年1〜4回の継続契約になる。1件あたり年間3〜10万円程度の安定収入になる。
工事が終わったお客様に「年1回の定期点検はいかがですか?」と声をかけるだけだ。既存のお客様が対象なので断られにくい。10件契約できれば年間30〜100万円の固定収入が生まれる。
「外注(応援)職人」を確保して受注量を増やす
仕事が増えて1人では対応できなくなったとき、外注職人に手伝ってもらう体制を作る。
電気工事士が外注(応援)を使うときのルールと費用・契約の注意点に詳しいが、外注費の相場は日給2万〜3万5,000円。自分が元請けから3万5,000〜5万円で受ければ差額が利益になる。
外注を使う前に、電気工事士の賠償責任保険とは?加入が必要なケースと保険料の目安を確認しておく。他の職人が起こしたトラブルに元請けとして責任を負うケースがある。
補助金を活用して設備投資の負担を下げる
測定器・工具・車両の購入費を補助金でカバーできる場合がある。
例えば小規模事業者持続化補助金(上限50万円)は、チラシ作成・ホームページ制作・看板費用などに使える。申請に必要な書類は「経営計画書」と「補助事業計画書」の2点だ。
詳しくは電気工事士が独立時に使える補助金・助成金の種類と申請方法を参照してほしい。
仕事を増やすための行動リスト(チェックリスト形式)
独立初月
- 知人・元同僚・元取引先50人以上に独立報告を送る
- 電気工事業の登録を完了させる
- 見積もりテンプレートを作成する
- Googleビジネスプロフィールを登録する
- 名刺を200枚以上用意する
1〜3ヶ月目
- 元請け会社5社以上に応援登録を依頼する
- マッチングサービス(ミツモア等)に登録する
- 電気工事組合の会合に参加する
- SNSアカウントを開設し週1〜2投稿を始める
- 施工事例写真を蓄積し始める
3〜6ヶ月目
- 近隣の工務店・リフォーム会社20社以上に営業をかける
- Googleの口コミを5件以上集める
- 定期点検契約の提案を既存顧客に始める
- 補助金の申請期限を確認し申請する
6ヶ月以降
- 外注職人を1〜2名確保する
- 定期点検契約を10件以上に増やす
- 得意工事(太陽光・EV充電器等)の専門性を磨く
- ホームページを開設して問い合わせ導線を作る
現場で実感した「仕事が増える人・増えない人」の違い
18年の経験から言うと、仕事が増える独立電気工事士には共通点がある。
それは「レスポンスの速さ」だ。問い合わせから1時間以内に返信できる人は、そうでない人と比べて成約率が3〜5倍高い。お客様や元請けは「連絡が取りやすい業者」を優先する。
逆に仕事が増えない人の共通点は「待ち」の姿勢だ。登録だけして動かない。名刺を配っただけで終わる。電話一本かけるのをためらう。
実際に私が独立した当初、最初の3ヶ月で営業電話を100件以上かけた。そのうち反応があったのは15件。成約になったのは4件だ。打率は低く見えるが、4件が翌年に10件・20件の発注につながった。
動いた数が、仕事量に直結する。これが現場で見てきた現実だ。
よくある質問(FAQ)
Q. 独立直後に仕事がない期間はどのくらい続くものですか?
A. 動き方によって大きく異なる。前職の人脈があり、独立前から声がけをしていた場合は独立初月から案件が入ることも多い。何もしなければ3〜6ヶ月は仕事が安定しない。最初の1ヶ月で50件以上の連絡と5社以上への営業を目標にすると、2〜3ヶ月目には安定し始める。
Q. ホームページは独立直後に必要ですか?
A. 独立直後は必須ではない。最初の3〜6ヶ月はGoogleビジネスプロフィールとSNSで十分対応できる。ホームページは問い合わせが月5件以上来るようになってから整備するのが費用対効果が高い。制作費の目安は外注で15〜30万円、自作(Wix・WordPress)なら年間1〜2万円程度。
Q. 一人親方で稼げる上限はどのくらいですか?
A. 一人で動ける場合の売上上限は、月稼働20日×日当3万〜4万円で月60〜80万円程度が現実的な上限だ。これを超えるには外注職人を使って元請けとして仕事を回す体制が必要になる。外注を2〜3名使えば月200〜300万円の売上も現実的だ。
Q. 第二種電気工事士だけで独立して仕事を取れますか?
A. 一般住宅の電気工事に限定すれば可能だ。ただし、高圧受電設備のある工場・ビルの工事は第一種が必要になる。第一種電気工事士を取得すると受注できる案件の幅が大きく広がる。資格の詳細は電気技術者試験センター(公式)で確認できる。
Q. マッチングサービスと飛び込み営業、どちらを優先すべきですか?
A. 並行して両方やる。マッチングサービスは「すぐ依頼が来る可能性がある」点が強い。飛び込み営業は「継続的な発注元になる」点が強い。独立後の最初の1〜2ヶ月はマッチングサービスで実績と口コミを積み、並行して工務店への営業を週3〜5社のペースで進めるのが最も効率的だ。
✍️ 著者プロフィール
電気工事士歴18年。大阪を中心に年間200件以上の電気工事を担当。第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格保有。現場で得た実体験をもとに、電気工事に関する情報を発信しています。
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