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独立した電気工事士が最初に悩むのが「仕事の取り方」だ。元請け・下請け・マッチングサービスの3ルートを正しく使い分ければ、開業1年目から安定受注できる。この記事で具体的な手順を解説する。
独立直後の電気工事士が直面する「仕事ゼロ問題」
独立初日から仕事が来る人はほぼいない。18年の経験から言うと、開業後の最初の3ヶ月が最大の山場だ。
実際に私が独立した当初、最初の1ヶ月は受注ゼロだった。手持ちの現金が底をつく恐怖を感じながら、毎日10件以上の営業電話をかけた記憶がある。
独立後に仕事を安定させるルートは大きく3つある。
- 元請けとして直接顧客から受注する
- 下請けとして既存の電気工事会社から仕事をもらう
- マッチングサービスで案件を探す
それぞれの特徴と使い方を順番に解説していく。
なお、電気工事士の独立が失敗する3つの理由と対策も合わせて読んでおくと、仕事の取り方で失敗するリスクを大幅に減らせる。
ルート①|元請けとして直接顧客から受注する方法
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元請けのメリットと現実
元請けの最大のメリットは単価の高さだ。下請けの1.5〜2倍の金額で受注できることが多い。
たとえば照明交換工事なら、下請け単価は1万5,000円前後が相場だ。元請けで直接受注すると2万5,000〜3万円になる。
ただし元請けには営業力と信頼構築が必要だ。すぐに仕事が来るわけではない。
元請け獲得の具体的な手順
① 既存の知人・前職のつながりを洗い出す
まず連絡できる人間を全員リストアップする。友人・知人・前職の同僚・親戚など100人を目安にする。
② 「独立しました」の挨拶を全員に送る
LINEやメールで一斉連絡する。文面は「電気工事で独立しました。何かあればご相談ください」でシンプルに十分だ。
③ 不動産管理会社・工務店へ飛び込み営業をする
地元の不動産管理会社10〜20社を回る。管理物件の電気トラブル対応を継続的に受けられるからだ。
1社と取引できれば月5〜10件の安定案件につながる。実際に私は3社と契約し、月40件ペースに達した。
④ Googleビジネスプロフィールを登録する
無料で始められる集客ツールだ。「〇〇市 電気工事」で検索した際に表示される。登録から2〜3ヶ月で問い合わせが来始めるケースが多い。
元請け向け見積もりで意識すべき点
見積もりは翌日中に提出する。これだけで受注率が大きく変わる。
個人事業主は対応が遅いと思われがちだ。早い対応が差別化になる。
ルート②|下請けとして既存の電気工事会社から受注する方法
📖 参考書・テキスト
下請けが独立直後に最適な理由
下請けは営業不要で仕事が来る。独立初期の「仕事がない期間」を埋めるのに最適だ。
単価は低いが、安定した現金収入を確保できる点が大きい。
下請け先の探し方と交渉術
① 前職の会社に相談する
独立後も前職の会社と良好な関係を保てていれば、下請け契約を結べるケースは多い。職人が不足している会社は、外注を積極的に求めている。
② 地元の電気工事組合に加入する
各都道府県の電気工事工業組合に入ると、組合員同士の仕事のやり取りが生まれる。年会費は3万〜5万円程度が多い。
加入後3ヶ月で1〜2社から声がかかるケースが多い。
③ 同業の友人・先輩に「応援できます」と伝える
繁忙期に人手が足りない会社は必ずある。「応援で入れます」と伝えておくだけで声がかかる。
下請け単価の現実と交渉ポイント
下請けの日当相場は2026年現在、1日2万5,000〜3万5,000円が一般的だ。技術や実績によっては4万円超えもある。
最初から単価交渉はしない。3ヶ月〜半年で実績を積んでから交渉する方が成功率が高い。
仕事量が安定してきたら、独立後に仕事を増やすための具体的な行動リストを参考に、元請け比率を徐々に高めていくのが王道だ。
ルート③|マッチングサービスで案件を探す方法
電気工事士向けマッチングサービスの種類
近年、電気工事士向けのマッチングサービスが増えている。主なものを整理する。
| サービス名 | 特徴 | 手数料 |
|---|---|---|
| ジモティー | 地域密着・個人依頼が多い | 無料 |
| くらしのマーケット | 一般消費者向け・レビュー重視 | 売上の10〜20% |
| ユアマイスター | プロ向け・法人案件あり | 売上の15〜25% |
| ミツモア | 見積もり比較型・競合多め | 成約時課金 |
| Angi(旧HomeAdvisor系) | BtoC特化・写真重要 | 月額+成果報酬 |
くらしのマーケットで受注を増やす具体的な手順
くらしのマーケットは個人向けに特化したサービスで、電気工事士の登録が増えている。
プロフィール写真は顔出しで登録する
顔出しプロフィールの受注率は、そうでないものより約2倍高いとされている。
最初の10件はとにかく低単価で受注してレビューを集める
レビュー数が10件を超えると、問い合わせ数が急増する。最初の2〜3ヶ月は種まき期間と割り切る。
対応可能なカテゴリを広めに設定する
「照明交換」「コンセント増設」「エアコン電気配線」など複数カテゴリで登録する。露出機会が増える。
マッチングサービスの手数料を計算する
手数料が20%なら、3万円の案件から6,000円が引かれる。手取りは2万4,000円だ。
材料費・交通費を含めると利益が薄くなるケースもある。案件の選別が重要だ。
仕事を取り続けるために絶対に外せない3つの準備
①電気工事業の登録・届出を必ず行う
独立して電気工事を行うには、経済産業省が定める電気工事業の登録または届出が法律上必要だ。
未登録で施工した場合、罰則の対象になる。元請け企業への応募時に登録証の提示を求められることも多い。
②賠償責任保険に加入する
独立後は施工ミスによる損害賠償リスクをすべて自分で負う。賠償責任保険への加入は必須だ。年間保険料は補償額によって異なるが、1,000万円補償で年1万〜3万円程度が相場だ。
保険の詳細は電気工事士の賠償責任保険と加入が必要なケースで確認してほしい。
③人脈を意識的に広げ続ける
電気工事の仕事は人脈から生まれることが多い。業界団体・異業種交流会・SNSを活用して人脈を広げる行動を継続することが重要だ。
電気工事士が人脈を作って仕事を増やす方法も参考にしてほしい。
開業1年目のスケジュール|仕事の取り方の優先順位
| 時期 | 優先する仕事の取り方 | 目標受注額 |
|---|---|---|
| 開業1〜3ヶ月目 | 下請け中心+知人紹介 | 月20〜30万円 |
| 開業4〜6ヶ月目 | マッチングサービス登録・Googleビジネス整備 | 月30〜50万円 |
| 開業7〜12ヶ月目 | 不動産管理会社・工務店への営業強化 | 月50〜80万円 |
| 2年目以降 | 元請け比率7割以上を目指す | 月80万円〜 |
独立後の年収の変化については電気工事士が独立した場合の年収の現実|開業1年目・3年目・5年目の変化で詳しく解説している。
18年の経験から語る「仕事が取れない人」の共通点
実際に私が現場で見てきた、独立後に仕事が取れずに廃業した人には共通点があった。
✗ 「いい仕事をすれば口コミで広がる」と待ち続ける
技術が良くても営業しなければ仕事は来ない。口コミが機能するのは顧客ベースができてからだ。
✗ 一つのルートだけに頼る
下請け1社に依存すると、その会社の都合で仕事が急減するリスクがある。複数ルートを持つことが安全だ。
✗ 見積もり・返信が遅い
個人事業主は「連絡が遅い」と思われやすい。問い合わせには2時間以内に返信するルールを自分に課す。
✓ 仕事が増える人は、受注ルートを常に3つ以上持っている
下請け・元請け・マッチングサービスを同時並行で動かしている人が、開業2年目以降も安定している。
よくある質問(FAQ)
Q. 独立したばかりで実績がない場合、どうやって最初の仕事を取ればいいですか?
A. まず知人・前職のつながりへの挨拶から始めるのが最短ルートです。同時に下請けで入れる会社を探すと、実績ゼロでも仕事を受けられます。最初の3ヶ月は単価より「実績作り」を優先してください。
Q. マッチングサービスと下請けはどちらを先に始めるべきですか?
A. 開業直後は下請けを優先してください。即収入につながるからです。マッチングサービスはプロフィール整備・レビュー収集に2〜3ヶ月かかります。並行して登録だけ済ませておき、下請けが安定してから本格活用する流れが現実的です。
Q. 電気工事業の登録なしで独立して仕事を受けることはできますか?
A. 法律上、電気工事業を営むには都道府県への登録または届出が必要です。未登録での施工は電気工事業法違反となり、罰金・業務停止の対象になります。独立前に必ず手続きを済ませてください。申請自体は書類準備から1〜2週間程度で完了するケースが多いです。
Q. 不動産管理会社への営業はどのように進めればいいですか?
A. 飛び込み営業が最も効果的です。名刺と簡単な会社案内(A4一枚で十分)を持参し、「緊急の電気トラブルに即対応できます」という点を強調してください。管理物件数が多い会社ほど外注ニーズが高いです。訪問後に担当者のLINEを交換できれば成功率が上がります。
Q. 元請けと下請けの比率はどのくらいが理想ですか?
A. 売上安定の観点では、開業2年目以降は元請け6〜7割・下請け3〜4割が理想です。元請けが多いほど単価が上がり年収は伸びます。ただし元請けは集客コストと営業負担がかかるため、下請けをゼロにする必要はありません。リスク分散の意味でも複数ルートの維持を推奨します。
✍️ 著者プロフィール
電気工事士歴18年。大阪を中心に年間200件以上の電気工事を担当。第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格保有。現場で得た実体験をもとに、電気工事に関する情報を発信しています。
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