
一人親方の電気工事士の年収は?現実的な月収と稼ぎ方のコツ
一人親方の電気工事士の年収は400万〜800万円が現実的なゾーンです。平均的な会社員電工の年収330〜450万円を超えられるかどうかは、単価交渉・案件数・経費管理の3点にかかっています。この記事では具体的な月収モデルと稼ぎ方を解説します。
一人親方の電気工事士|2026年版リアル年収データ
まず数字から見ましょう。
業界の実態調査・求人データをもとにした一人親方電気工事士の年収分布は以下のとおりです。
| 年収レンジ | 該当するタイプ | 月収換算 |
|---|---|---|
| 300万〜400万円 | 独立1〜2年目・人脈薄め | 25万〜33万円 |
| 400万〜600万円 | 3〜5年目・安定受注あり | 33万〜50万円 |
| 600万〜800万円 | 5年超・元請け案件保有 | 50万〜67万円 |
| 800万円超 | 直受け特化・太陽光・EV充電器 | 67万円〜 |
会社員電気工事士の平均年収は約380万〜460万円(厚生労働省・賃金構造基本統計調査2025年版参照)。
一人親方でも下位層は会社員と変わりません。
逆に上位層は1.5〜2倍の収入を実現しています。
手取りベースでの注意点
年収600万円でも手取りは約450万円前後になります。
理由は以下の支出が必要だからです。
- 国民健康保険:年間約40万〜70万円(所得による)
- 国民年金:年間約20万円
- 一人親方労災保険:年間約1.5万〜3万円
- 所得税・住民税:年間約60万〜100万円
これらを差し引いた実質手取りで生活設計することが大切です。
一人親方の電気工事士|月収モデル3パターン
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月収は「日当×稼働日数」で決まります。
2026年現在の相場を元に3パターンを試算します。
パターン①:下請け専業タイプ(月収30万〜40万円)
大手ゼネコン・電気設備会社の下請けとして稼働します。
試算例
日当:2万2,000円〜2万5,000円
月稼働:18〜20日
月収:39万6,000円〜50万円
経費(交通・工具・保険など):月5万〜8万円
手元に残る額:約31万〜42万円
安定していますが単価が上がりにくいのが弱点です。
パターン②:元請け+下請け混在タイプ(月収45万〜60万円)
小規模リフォーム会社や工務店から直受けを増やした状態です。
試算例
元請け工事(月2件):請求額計40万〜60万円
下請け稼働(月10日):日当2万5,000円→25万円
月売上:65万〜85万円
経費:月10万〜15万円
手元に残る額:約50万〜70万円
年収換算で600万〜840万円が狙えるゾーンです。
パターン③:専門特化・直受け特化タイプ(月収70万円超)
太陽光・EV充電器・低圧電気工事に特化したケースです。
試算例(太陽光設置工事)
1件あたり施工費:15万〜30万円
月こなせる件数:4〜6件
月売上:60万〜180万円(規模による)
経費:月20万〜30万円
手元に残る額:約50万〜150万円
設備投資と専門知識が必要ですが、最高年収層はここにいます。
年収を上げる5つの具体的な行動
📖 参考書・テキスト
①日当交渉を年1回必ず行う
多くの一人親方が「言いにくい」と放置しています。
しかし元請けは言わなければ単価を上げません。
交渉タイミングは年始・繁忙期前(9〜10月)の2回が効果的です。
根拠として「物価上昇分(CPI上昇率:2025年は約2.8%)」を数字で示すと成功率が上がります。
日当を2,000円上げるだけで年40万円以上の増収になります(月20日稼働の場合)。
②第一種電気工事士を取得する
第二種のみ保有者と第一種保有者では日当が3,000〜5,000円違うケースが多いです。
第一種取得後は最大電力500kW未満の自家用電気工作物にも対応可能になります。
工場・病院・ビル設備など高単価案件への参入ルートが開きます。
③認定電気工事従事者・消防設備士を追加取得する
電気工事士資格に隣接する資格を持つと、1現場でこなせる工事の幅が広がります。
- 認定電気工事従事者:600V以下の自家用電気工作物に対応
- 消防設備士(4類):感知器・火報設備の工事が可能
- 電気通信工事担任者:弱電・LAN配線の受注に有利
1資格追加で受注可能な工事が増え、月5万〜10万円の上乗せになることも珍しくありません。
④見積書・請求書を電子化して時間を稼ぐ
一人親方は事務作業に使う時間も「機会損失」です。
手書き見積書1枚に30分かかっているなら、日当換算で約1,500円を捨てています。
Misocaやfreeeなどのクラウドツールを使えば、見積作成を1件5〜10分に短縮できます。
浮いた時間を現場稼働に回せば月1〜2日分の増収につながります。
⑤EV充電器設置工事の施工IDを取得する
2026年現在、EV充電設備の需要は急拡大中です。
主要メーカー(パナソニック・オムロン・東光高岳など)の施工認定を取得すると、メーカー経由で直接案件が紹介されます。
1件あたりの施工単価は3万〜20万円と幅広く、住宅向け・商業施設向けで収益の柱を増やせます。
収入が上がらない一人親方に共通する3つの失敗パターン
失敗①:1社依存が続いている
売上の80%以上が1社からという状態は危険です。
その会社が方針変更や倒産した瞬間、収入がゼロになります。
理想は3〜5社から均等に受注できる状態です。
最低でも「メイン1社+サブ2社」の体制を2026年中に作ることを目標にしてください。
失敗②:経費の管理が雑で節税できていない
一人親方は確定申告で青色申告を選択すべきです。
青色申告特別控除(最大65万円)を活用しないのは完全な損失です。
さらに以下の経費を適切に計上できていない人が多いです。
- 工具・電動工具の減価償却
- 軽トラ・バンの燃料費・車検代(業務按分)
- 資格取得費用(全額経費計上可能)
- スマホ代(業務按分50〜80%)
- 組合費・労災保険料
これらをきちんと処理するだけで税負担を年20万〜50万円削減できることがあります。
失敗③:単価を上げずに稼働日数で補おうとする
月25日以上稼働しても体力に限界があります。
年間300日働いても日当2万円なら年収600万円が上限です。
稼働日数を増やす前に、日当を3万円に上げることを先に考えてください。
日当3万円×200日=年収600万円。働く日数を減らして同じ収入が得られます。
独立1年目が現実的に目標にすべき数字
独立初年度は「稼ぐ」より「基盤を作る」が正解です。
現実的な1年目の目標はこうです。
独立1年目の現実的な数字目標
- 月収:28万〜38万円(手元残)
- 年収:350万〜460万円
- 取引先数:2〜3社確保
- 稼働率:月16〜20日を安定維持
「独立初年度から年収700万円」はほぼ実現しません。
前の職場の同僚・元上司からの紹介が最初の命綱です。
独立前の3〜6ヶ月で人脈整理と声かけを済ませておくことが重要です。
まとめ:電気工事士の一人親方で600万円を目指すロードマップ
| 時期 | やること | 目標年収 |
|---|---|---|
| 独立前〜1年目 | 人脈形成・取引先2社確保・青色申告準備 | 350万〜450万円 |
| 2〜3年目 | 第一種取得・日当交渉・取引先3〜4社に拡大 | 450万〜550万円 |
| 4〜5年目 | 元請け案件獲得・EV・太陽光に特化開始 | 550万〜700万円 |
| 5年目以降 | 直受け比率50%超・資格追加・法人化検討 | 700万〜1,000万円 |
一人親方の電気工事士が年収600万円を超えるのは、正しい順序で積み上げれば5年以内に現実的です。
最初から高収入を狙うよりも、「取引先を増やす→単価を上げる→専門性を高める」の順番を守ることが最短ルートです。
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