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電気工事士の賠償責任保険とは?加入が必要なケースと保険料の目安


電気工事士の賠償責任保険とは?加入が必要なケースと保険料の目安

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電気工事士が独立したとき、賠償責任保険は必要か?結論から言うと、独立初日から加入必須です。工事ミスで火災が起きれば、損害額は数百万〜数千万円に達します。この記事では保険の種類・加入すべきケース・保険料の具体的な目安まで解説します。

電気工事士の賠償責任保険とは何か

電気工事士が業務中に起こした事故・ミスで、第三者に損害を与えたとき、その賠償費用をカバーする保険です。

正式名称は「施設賠償責任保険」または「請負業者賠償責任保険」。会社員であれば会社の保険が適用されます。しかし独立すると、自分で加入しなければ一切補償されません。

カバーされる主な損害の種類

損害の種類 具体例 想定損害額
身体賠償 感電事故で施主が怪我 100万〜3,000万円
財物賠償 配線ミスで機器が故障 10万〜500万円
火災・延焼 接続不良で出火・隣家まで延焼 500万〜1億円超
工事完成後の事故 引渡し後に漏電発生 50万〜2,000万円

特に火災・延焼事故は個人事業主が破産するレベルの損害になります。無保険での独立は、経営リスク以上に危険です。

18年の現場経験から見た「無保険の怖さ」

18年の経験から言うと、電気工事の事故は「腕が良い人でも起きる」ものです。

実際に私が現場で見たケースがあります。独立して2年目の知人が、マンションのエアコン配線工事を行いました。引渡しから3週間後、接続部の緩みが原因で漏電が発生。壁の内部が焦げ、修繕費用として約180万円の請求が来ました。

その知人は「独立したてで保険料がもったいない」と加入を後回しにしていました。結果、全額自腹。貯金を切り崩しながら分割で支払い続けたそうです。

保険料は年間3万〜10万円。損害賠償の180万円と比べれば、いかに安い「保険」かがわかります。

独立時の資金計画については、電気工事士が独立時に使える補助金・助成金の種類と申請方法も合わせて確認しておくことをおすすめします。

賠償責任保険に加入が必要なケース

ケース1:一人親方として独立する場合

会社を辞めて個人で請負をはじめた瞬間から、会社の保険は切れます。翌日から工事をするなら、独立前に保険を手配しておく必要があります。

ケース2:元請から保険加入を求められる場合

大手ゼネコンやハウスメーカーの下請けに入る際、保険加入証明書の提出を求められることが増えています。2026年時点では、証明書を出せない業者は現場に入れないケースも珍しくありません。

ケース3:施主から直接受注する場合

個人宅や中小企業から直接仕事をもらう場合、間に元請がいません。何か起きたときの矢面に立つのは自分だけです。保険なしでは事業継続が不可能になるリスクがあります。

ケース4:外注(応援)を使う場合

自分以外の職人を使うときは、賠償リスクが増えます。外注先が起こした事故でも、元請として責任を問われる場合があります。外注を使う際の契約ルールについては、電気工事士が外注(応援)を使うときのルールと費用・契約の注意点を参考にしてください。

ケース5:工事台帳で完成後の案件管理をしている場合

引渡しが終わった現場でも、その後に不具合が出れば責任を問われます。完成後の事故をカバーする「生産物賠償責任(PL保険)」もセットで検討しましょう。

保険の種類と選び方

請負業者賠償責任保険(最も重要)

工事中に発生した事故をカバーします。電気工事士が最初に加入すべき保険です。補償限度額は1億円が標準的です。

生産物賠償責任保険(PL保険)

引渡し後の不具合による損害をカバーします。工事完成後に漏電・火災が発生したケースに対応します。請負業者賠償責任保険とセットで加入するのが基本です。

施設賠償責任保険

事務所・倉庫など、施設の管理上の事故に備える保険です。工場や大きな倉庫を借りている場合に検討します。個人事業主の電気工事士には優先度は低めです。

保険の種類 カバー範囲 優先度
請負業者賠償責任保険 工事中の事故・損害 最優先
生産物賠償責任保険 引渡し後の不具合・事故 推奨
施設賠償責任保険 施設管理上の事故 状況次第

2026年版 保険料の目安

保険料は「年間売上高」と「補償限度額」によって決まります。以下は一人親方の電気工事士が請負業者賠償責任保険に加入する場合の目安です。

年間売上規模 補償限度額 年間保険料(目安)
500万円未満 1億円 約3万〜5万円
500万〜1,000万円 1億円 約5万〜8万円
1,000万〜3,000万円 1億円 約8万〜15万円
3,000万円以上 1億円 約15万〜30万円

PL保険をセットにしても、年間売上500万円未満なら合計で年5万〜7万円程度が相場です。月換算すると4,000〜6,000円。経費として計上できる点も大きいです。

保険料は全額「損害保険料」として経費計上できます。節税との組み合わせについては、電気工事士が車を経費にするための条件と節税の注意点も参考になります。

加入方法と手続きの流れ

方法1:業界団体経由で加入する

全日本電気工事業工業組合連合会(全日電工連)に加入すると、団体割引が適用された賠償責任保険に加入できます。個人で損保会社に申し込むより、年間で数千円〜1万円以上安くなるケースがあります。

業界団体への加入と人脈づくりは、仕事の受注にも直結します。詳しくは電気工事士が人脈を作って仕事を増やす方法|業界団体・勉強会の活用をご覧ください。

方法2:損害保険会社に直接申し込む

東京海上日動・三井住友海上・損保ジャパンなどの大手損保で取り扱っています。代理店経由で見積もりを複数取ることが重要です。同じ補償内容でも保険料が年間2万円前後変わることがあります。

手続きに必要なもの

  • 電気工事業の登録証(または届出証)
  • 前年度または予定の年間売上高
  • 主な工事内容(住宅・商業施設・工場など)
  • 外注先の有無と人数

電気工事業の登録については、経済産業省 電気工事業登録・届出の公式ページで確認できます。

保険加入時の注意点4つ

注意点1:補償限度額を低くしすぎない

「安くしたい」からと1,000万円で設定する人がいます。しかし火災・延焼事故では1,000万円では全く足りないケースがあります。最低でも1億円の補償限度額が必要です。

注意点2:免責金額の確認を忘れない

免責金額とは「自己負担額」のことです。免責5万円なら、損害額から5万円を引いた残りが保険から支払われます。免責0円のプランを選ぶと保険料は上がりますが、少額の事故でも全額補償されます。

注意点3:工事完成後の補償期間を確認する

PL保険の補償期間は保険会社によって異なります。「引渡しから2年間」の商品と「引渡しから5年間」の商品があります。電気工事は施工後に不具合が出るまでタイムラグがあることが多いため、長期補償を選ぶことを推奨します。

注意点4:売上増加時に保険金額を見直す

売上が増えれば、リスクの規模も変わります。年間売上が1,000万円を超えたタイミングで保険内容を見直しましょう。補償が不足していると、万一のとき差額は自腹になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 一人親方でも賠償責任保険は必要ですか?

A. 必要です。一人でも独立して工事を請け負う以上、事故の責任は全て自分に来ます。会社員と違い、会社が守ってくれる仕組みはありません。年間3万〜5万円の保険料で、数百万〜数千万円のリスクをカバーできます。独立初日から加入しておくことが鉄則です。

Q. 保険料はいくらくらいかかりますか?

A. 年間売上500万円未満の一人親方なら、請負業者賠償責任保険の年間保険料は約3万〜5万円が目安です。PL保険をセットにしても合計5万〜7万円程度。月4,000〜6,000円の経費で、億単位のリスクをカバーできます。売上規模が大きくなるほど保険料は上がります。

Q. 工事が完成して引き渡した後の事故も補償されますか?

A. 請負業者賠償責任保険だけでは引渡し後はカバーされません。生産物賠償責任保険(PL保険)を別途セットで加入する必要があります。引渡し後に漏電・火災が発生するケースは実際にあります。PL保険は補償期間が商品によって2年〜5年と異なるため、加入時に必ず確認してください。

Q. どこで加入すればよいですか?

A. 大手損保(東京海上日動・三井住友海上・損保ジャパン)の代理店か、全日本電気工事業工業組合連合会などの業界団体経由での加入が一般的です。複数の見積もりを取ることで、同じ補償内容でも年間1万〜2万円の差が出ることがあります。まずは2〜3社の見積もりを取って比較しましょう。

Q. 保険料は経費になりますか?

A. なります。損害保険料として全額経費計上できます。個人事業主であれば確定申告の際に「損害保険料」として記載します。法人化している場合も「保険料」として損金算入が可能です。節税効果も含めて考えると、保険料の実質負担はさらに小さくなります。

✍️ 著者プロフィール

電気工事士歴18年。大阪を中心に年間200件以上の電気工事を担当。第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格保有。現場で得た実体験をもとに、電気工事に関する情報を発信しています。

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